リスク細分型自動車保険とは
最近テレビCMなどで良く聞くようになった「リスク細分型保険」という言葉があります。なんとなくリスクに合わせた保険なのだろうとは想像がつきますが、具体的にはどのような保険の事なのでしょうか。
自動車保険の自由化
以前自動車保険は「自動車保険料率算定会」が算出した保険料率を使用することが義務付けられていました。車種、ドライバーの年齢、事故歴などによって保険料は異なっていたものの、保険会社間での自由競争は厳しく規制されていました。どの保険会社に加入しても、補償内容が同じなら保険料も同じく横並びの状態でした。
しかし、1996年に日米保険協議の最終合意によって自由化が始まり、翌年にはアメリカンホーム保険が通信販売をスタートさせました。その翌年の1998年にはついに自動車保険料率算定会の料率を使用しなければならない義務も廃止されたのです。
これにより外資系の保険会社も日本の自動車保険業界に参入することとなり、保険会社により保険料が異なる現在の状態になったのです。
保険料の算出方法
そもそも自動車保険の保険料は、簡単に言えば、保険会社の支払いリスクが大きいほど高く、リスクが小さいほど低く設定されます。自由化以降このリスクについて考える項目はより細分化され、以下の9項目によって保険料に差をつけても良いと保険業法で定められました。
- 年齢
- 性別
- 運転歴
- 営業用、自家用その他自動車の使用目的
- 年間走行距離その他自動車の使用状況
- 地域
- 自動車の種別
- 自動車の安全装置の有無
- 自動車の所有台数
例えば年齢は若い人ほど乱暴な運転をする可能性が高いというデータがあり、保険料が割高になります。自動車の車種であればスポーツカーはスピードが出ますので、これも事故率が高くなりファミリーカーに比べて保険料は高くなります。
リスク細分型のメリット・デメリット
リスク細分型の取り入れにより保険料は安くなったのでしょうか。より自分のリスクに即した保険料が適用されることになったので、もちろんリスクの少ない環境の人は保険料が安くなることにつながります。一方、この判断基準により事故リスクが高いと判断されると保険料が高くなることも大いに考えられるのです。
リスク細分型の取り入れで、事故リスクの高い人も低い人も同じ保険料であったという不公平さが解消されました。その分保険料を安くしたいのであれば、リスクが低いと判定されるような環境を整えることが必要となりました。またそのリスクによる保険料率は保険会社により独自に設定されるため、より自分に合った保険会社を選ぶことが必要となったのです。